皆さんは、「バトル・ロワイアル」という映画をご存じでしょうか。
昨今では、バトロワといえばPUBGやAPEXといったゲームのほうが有名かもしれません。
それらゲームのモデルになった映画こそ、「バトル・ロワイアル」なのです。
2000年に公開された映画ですが、同じ年に生まれた私が今見ても古臭さを感じない、とても魅力的な映画でした。
今回は、映画「バトル・ロワイアル」のあらすじ、見どころ、感想について、綴っていこうと思います。
ぜひ最後まで見ていってください。
映画「バトル・ロワイアル」のあらすじ

主人公の七原秋也は、クラスメイトとともにバスで修学旅行に向かう最中だった。
しかし突然、睡眠ガスがバスの中で散布され、七原たちは眠らされてしまう。
目が覚めると、七原たちは廃校舎の中にいた。
困惑する七原たちの前に、武装した軍隊と、かつての担任教師キタノが現れる。
キタノは生徒たちに向かってこう言い放った。
「今日は皆さんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます。」
映画「バトル・ロワイアル」の見どころ

映画「バトル・ロワイアル」は、当時の社会的注目を浴びていた少年犯罪を悪化させるとのことで、国会で取り上げられることもあったそうです。
しかし、今なお語り継がれるこの映画は、たくさんの人を惹きつける見どころがありました。
これから、映画「バトル・ロワイアル」の見どころを紹介していきます。
デスゲームの元祖といえる要素が満載
映画「バトル・ロワイアル」では、後にデスゲームものと言われるジャンルの要素がふんだんに盛り込まれています。
- 突然見知らぬ場所に案内される
- 明るいテンションでデスゲームのルールを説明する
- 見せしめに人が残酷に殺される
- 戦闘能力の高い狂人がいる
私が見つけたもの以外でも、探してみると、その後に通じる描写が見つかるかもしれません。
デスゲームものが好きな方であれば、絶対に楽しめるでしょう。
余すことなく映し出される殺し合い
映画「バトル・ロワイアル」は、殺し合いをする映画という事で、その描写が多く盛り込まれています。
最初に武器が支給されるのですが、銃や刃物だけでなく、毒薬や手りゅう弾など、バリエーションは豊富です。
様々な武器で繰り広げられる殺し合いは迫力満点で、映画の最後まで緊張感が抜けません。
登場人物の死に方も、強く印象に残るものがたくさんあります。
どのような殺し合いが繰り広げられるかは、実際に自分の目で見て確かめてください。
極限状態が織りなす人間ドラマ
突然殺し合いに巻き込まれたのは、主人公の七原だけではありません。
映画「バトル・ロワイアル」は、主人公だけでなく、クラスメイトのほかの人物にも焦点が当てられて物語が進行します。
いち早く殺し合いを始める生徒だけでなく、仲間や好きな人のために殺し合いを拒む生徒も。
疑心暗鬼になって友達を攻撃する生徒もいます。
クラスメイト全員が、必死な思いでこのデスゲームに臨みます。
しかし、救いのない殺し合いの末に、生き残れるのはたった一人という残酷なルール。
彼らは、どういった結末を迎えるのでしょうか。
豪華キャスト陣
キャストは、映画「バトル・ロワイアル」の象徴にもなっているビートたけしをはじめ、藤原竜也、山本太郎、柴咲コウ、安藤政信など、豪華なメンバーが勢揃いです。
キャストは全員が迫真の演技を見せてくれるため、視聴していた私は映画の世界に引き込まれっぱなしでした。
作品の登場人物に命を吹き込んだキャストの姿をぜひその目で見ていただきたいです。
映画「バトル・ロワイアル」の感想(ネタバレ注意)

ここからは、映画「バトル・ロワイアル」の感想を、ネタバレ込みで綴っていきます。
まだ映画を見ていない方は、先に視聴することをおすすめします。
桐山和雄というラスボス
映画を見る前はビートたけしの印象が強かったけれど、映画を見てからは桐山の印象が強くなったという人も多いのではないでしょうか。
彼は、倒さなくてはならない敵として主人公の前に立ちふさがります。
最初に支給された武器がハリセンで、周りには銃をもった生徒たちという絶望的な状況から全員を返り討ちにし、その後は手当たり次第に見つけた生徒たちを殺していく桐山。
拡声器で生徒の悲鳴を響かせながら殺害したり、生首に手りゅう弾を加えさせて投げ込んだりと、残虐な描写が多く目立ちます。
セリフは一言もなく、最後の最後まで、人を殺すために動いていたキリングマシーンでした。
彼の存在が、「バトル・ロワイアル」をバトル・ロワイアルたらしめたといっても過言ではないでしょう。
転校生として参加し、同情の余地もない人間でしたが、桐山を演じた安藤政信氏の演技により、一種のカリスマを彼に感じた人もいたのではないでしょうか。
相馬光子の周りで起こる衝撃的な描写の数々
桐山の次に殺し合いを積極的に行っていたのが相馬光子です。
彼女は、桐山とは別のベクトルで印象に残るシーンが数多くありました。
彼女と相対した女子が「タンポンを確認したけど生理じゃなかった」と言ったり、彼女の周りで男子生徒が全裸で死んでいたりなど、生々しいシーンが多く、思春期の頃に見た人々は、彼女の印象が強く残ったのではないかと思われます。
予告で「死ねよ、ブス」と言っているのも相馬です。
そんな彼女は、映画では描写されていませんでしたが、肉親や恩師から性的虐待を受けて性格が歪んだという背景があります。
凄惨な経験をし、奪う側に回ろうと思った彼女は、最後は桐山に殺されました。
最初から奪う側だった桐山と、周囲の環境によって奪う側に回ろうとした相馬は、その点の違いで勝負が決したのではないかと私は思います。
子供が暴走する世界で、何ができるのか
殺し合いを繰り広げることになった背景には、子どもたちが暴走し、手に負えなくなった大人が威厳を取り戻すために「BR法」という決まりができたというものがあります。
「BR法」は、対象クラスに選ばれた生徒たちに殺し合いを強制するというものです。
殺し合いという極端な方法はともかく、子どもが手に負えない状態というのはすぐに分かります。
映画の序盤で描写されるように、キタノは授業を中川典子除く全員にボイコットされた挙句、ナイフで切りつけられるというような出来事がありました。
子供が大人の手に負えなくなるというのは、昨今の問題にも通じるものがあるでしょう。
ナイフを振り回していた生徒を取り押さえた教師が処分を食らうといった報道を聞いたこともあります。
私の知り合いから、モンスターペアレントに土下座させられた教師がいるという話も聞きました。
現代でも、教師の立場は弱くなり、子どもたちを制御できなくなっているのです。
制御のために殺し合いを強制するというのは間違っているとは思いますが、それでは、子どもが抑えられなくなっている現状はどうすれば解決できるのでしょうか。
余りに教師の立場が強ければ、体罰の問題が出てきますし、弱ければモンスターペアレントに対処できません。
「バトル・ロワイアル」は、現在も解決できていない社会問題の描写なども含めて色あせない映画となっているのではないかと、私は思います。
映画「バトル・ロワイアル」のラストシーン
「バトル・ロワイアル」の結末は、主人公の七原と親友の想い人の中川が逃げ延び、全国指名手配をされるというものでした。
そこから続編の「バトル・ロワイアルⅡ」にもつながっていくのですが、この映画単体での結末を見ると、過酷な逃亡劇が待ち受けているにもかかわらず、希望に満ちているような終わり方です。
絶望に落とされても、切り抜けた先に辛い現実が待っていても、明るい未来がきっとあると思わせるようなラストでした。
七原が最後に言った「走れ」というセリフは、苦しい現実を見せられ続けている人々への希望のメッセージともいえるでしょう。
映画「バトル・ロワイアル」では、残酷な現実の果てにはきっと明るい未来が待っているという、そんなメッセージを込めて作られているのではないかと私は思いました。
映画「バトル・ロワイアル」は、サブスクでいつでも見られる!

映画「バトル・ロワイアル」は、検索すればNetflixをはじめとした数多くの動画配信サービスで見られます。
まだ見ていない方も、すでに一度見た方も、この映画を見てみてはいかがでしょうか。
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