レオンという言葉を聞くと、バイオハザードの警察官を思い浮かべる人もいるかもしれません。
今回は、バイオハザードの銃「マチルダ」のパロディ元である映画「レオン 完全版」をNetflixで見てきたのでその感想を述べていきたいと思います。
初めに結論から言うと、非常に見ごたえのある映画だったといえます。
殺し屋を主人公に置いていますが、この映画では殺し屋としての側面よりも人間としての側面をメインで映しており、そういった人物描写に引き込まれあっという間に見終えてしまいました。
感想を書いている今でも映画の余韻が残っているほどです。
あらすじ(Netflixより)
非常な殺し屋と家族を殺された12歳。食材の念に駆られる男と報復の炎を燃やす少女の心は、いつしか思いもよらぬきずなで結ばれていく。
感想(ネタバレ注意)
場面はまず、とあるギャングを主人公の殺し屋レオンが一掃するところから始まります。
そこでの場面はまさしくホラー映画のようなスリリングな展開が流れました。
しかし、その場面が終わると一転、殺し屋のレオンの日常風景に切り替わります。
アイロンがけをしたり観葉植物の世話をしたり、レオンの人間らしさが見えるシーンです。
映画が終わって見返してみると、レオンの殺し屋としての側面よりも、人間性を多く描いているように思えました。
レオンの日常が流れる中で、アパートの近所に住んでいる少女マチルダとレオンは邂逅します。
マチルダは父親から虐待を受けていて、それに対する反抗か、階段のロビーでタバコを吸っていました。
この時レオンは、マチルダがタバコを吸うことに説教を垂れるわけでもなく、少し話をして自分の部屋へ戻っていきます。
その時、同時に3人の男が揉めていました。
その中の白いスーツの男が薬物をくすねたやつを明日までに突き止めろと部屋の住人の男に告げています。
部屋の住人の男はマチルダの父親でした。
父親は会談にいるマチルダを殴りつけます。
そして場面が切り替わり翌日、マチルダの家族の日常風景とレオンの日課のトレーニングの映像が流れます。
マチルダは弟以外の家族との関係性は最悪で、また、学校も不登校になっているという状況でした。
そして、また父親に殴られ階段のロビーで鼻血を流しているマチルダに、レオンはハンカチを差し出します。
マチルダはレオンに、「大人になってもこんなにつらいの?」と疑問を投げかけます。
レオンは一言、つらいといいます。
マチルダは気にかけてくれたレオンになついたのか牛乳を2パック買ってくると伝え、買い物に向かいます。
ここまでが日常のシーンですが、私はこんなことが日常になってしまっているマチルダが心底気の毒だと思ってしまいました。
私が同じ場面に居合わせたとして、マチルダには気休めの言葉しかかけられないと思います。
そうした日常の場面から一転、白いスーツの男、スタンがマチルダの家に押しかけます。
スタンは部屋に突入する前に自分も麻薬を飲み、そして実に楽しそうにマチルダの家族を殺していきます。
その様子を自分の部屋から窺うレオン。
その時、買い物に出ていたマチルダが戻ってきます。
マチルダは自分の部屋の様子を見てはそこを素通りし、レオンの部屋のチャイムを鳴らします。
泣きながら開けるよう懇願するマチルダを部屋の中に入れるレオン。
その後、スタンたちの一味は去っていきました。
家族が殺されたマチルダに対してレオンは、豚のパペットを使って励まそうと試みます。
レオンはこういったシーンが多く、殺し屋の人間性の部分にかなりスポットが当たっているように感じました。
部屋にかくまってもらったマチルダは、大量の銃器を発見し、レオンが殺し屋であるという事を知ります。
そして、自分のできることなら何でもするといって、弟を殺したスタンを殺してほしいとレオンに言います。
レオンは断りますが、マチルダはあきらめる様子はありません。
そうしてレオンは、マチルダと共同生活を始めることになってしまいます。
これが、映画レオンの冒頭部分になります。
ここまでのシーンで殺し屋であるレオンの人間らしい一面やマチルダの悲惨な境遇に共感して、私は大きくこの映画に引き込まれていきました。
特に、明らかに普通の境遇ではないレオンに共感させてくる点で私はこの映画の魅せ方に恐れ入りました。
共同生活が始まる中で、レオンがマチルダにペイント弾を使った狙撃の練習をさせるシーンや、マチルダがレオンに字の読み方を教えるといったシーンが流れていきます。
また、レオンとマチルダが遊んでいるシーンや水をかけあって笑っているシーンなどが流れ、親密になっていく二人の関係が多く描写されていました。
こういった日常のシーンもこの映画の大きな魅力の一つだといえるでしょう。
そしてある日、マチルダはレオンに恋をしていると告げます。
このシーンがネットフリックスで見たときに不具合なのか場面が5秒ぐらい飛んで最初レオンが牛乳を噴出した理由が分かりませんでした。
やめてね。
レオンはマチルダからの思いは受けられないといいます。
しかし、場面が流れるにつれて、マチルダからレオンへのアプローチは大胆なものになっていきます。
そうしたことを繰り返しているうちに、マチルダの思いを受けられない理由をレオンが話すのです。
レオンは、19歳の時親密になっていた女性がいましたが、身分の差から、相手の女性の父親に嫌われていました。
それでもレオンとその女性が親密な関係でい続けることに業を煮やした父親はあろうことか女性を殺害してしまいます。
しかし、父親は裕福な家庭であったためかすぐに釈放されるのです。
そこでレオンはその父親をライフルで殺害し、その後国を渡ってきたという話を、涙を流しながらマチルダに伝えるのでした。
そして、そのトラウマがある経験から、マチルダの思いは受けられないと話します。
私は、このシーンでレオンが幼いマチルダを一人の女性として扱って話をしている点で驚きました。
ここまで見た私は、レオンとマチルダの関係を歪な形のものだとは思えませんでした。
マチルダから向けられる恋慕に対してレオンは、年齢の差を問題とはしていませんでした。
これは、レオンがその場では問題として言わなかっただけなのか、トラウマがなければマチルダを一人の女として愛して関係を持っていたのか、私は分かりません。
吹き替え版で見たからか分かりませんが、最後までレオンがマチルダを一人の女性として見ているような描写が見受けられなかったからです。
昔の映画ですので、この手の話は多くの人が話していると思われますが、私はマチルダを娘のように見る感覚を拭えなかった部分があります。
そうして共同生活を送るうちに、レオンの仕事場にもマチルダは同行するようになっていました。
そんなある日、レオンは一人の時間が欲しいという事で、マチルダを連れずに一人で仕事へ向かいます。
同時期、マチルダもすでに麻薬捜査官でもあるスタンの居場所は突き止めており、そこへ襲撃に向かいました。
結果襲撃は失敗。
この時のスタンの底知れなさは非常におぞましく感じました。
マチルダは捕らえられてしまいますが、事前にレオンに置手紙をしていたことが功を奏し、レオンに救出されます。
しかし、同時期に行っていた仕事でレオンがスタンの仲間を殺していたこととマチルダの襲撃で、スタンは本格的にレオンを始末しにかかります。
襲撃当日、マチルダは買い物へ出かけており、帰宅寸前のところでスタンの部隊に拘束されてしまいます。
レオンは最初の襲撃を何とかいなし、マチルダを自分のもとへと連れ戻します。
そして、警察に包囲される中、レオンは斧を使って部屋の換気扇がある部分を破壊し、マチルダだけが通れる脱出路と観葉植物を外に出そうとします。
この時、お互いに愛していることを伝え、二人で幸せになろうと誓い、マチルダだけが部屋から脱出します。
そしてレオンは、倒した兵士のマスクと服を奪ってスタンの部隊に変装し、負傷兵を装ってその場から脱出しようと試みます。
しかし、レオンは、脱出まであと一歩のところでスタンに後ろから襲撃され、致命傷を負います。
スタンは、レオンの変装を見抜いていたのです。
瀕死のレオンに銃を向け意地悪く笑うスタン。
しかし、レオンはマチルダからの贈り物だとスタンにあるものを手渡します。
手を開いてみるとそれは、グレネードのピンでした。
レオンとスタンは相打ちになる形で爆発します。
レオンを亡くし途方に暮れるマチルダは、レオンのお金を預かっている店主のところへ向かい、仕事はないかと問いかけます。
店主は当然ながら、12歳の子供にできる仕事はないと言い放ち、ここを去るように言います。
当てがなくなったマチルダの向かった先は、自分が不登校になっていた学校でした。
そこで自分の両親が麻薬捜査官に殺されたこと、殺し屋に助けられてその人が好きだったという事を先生に話します。
それを聞いた先生の描写が表情しかなかったので、拒絶されたか、保護されたか分かりませんが、その後マチルダは、レオンが大切にしていた観葉植物を校庭に植えます。
その場面を最後にこの映画は幕を閉じるのでした。
私はこの映画は久しぶりにとても見ごたえのあるものだと感じました。
レオンとマチルダは二人で幸せになることはできませんでしたが、レオンが守り抜いたマチルダがその後どうなったかとても気になります。
そういった余韻もあり、私はすぐにこの映画の感想が書きたいと思うほどでした。
私が、一番気になっているのは、レオンのマチルダに対する愛情です。
日本でのキャッチコピーが「凶暴な純愛」と書かれていたことからも、レオンがマチルダを一人の女性として愛していたと考察することもできますが、私は、映画を見る限りでは、家族愛的なものとしても見ることができるとも思えました。
吹き替え版で見ていたうえ、公式見解を詳しく調べたわけでもないので、そのあたりが分かりませんが、私はマチルダへの愛情は家族愛のように思っていると感じていたため、どちらでとっても共感できる仕組みにもなっていると感じ、そのおかげで、よりこの映画に深く入りこめたと思います。
やはり名作の映画は名作といわれるだけあって、非常に心に残ります。
それを言葉で表現するほどの表現力がまだ私にはありませんが、より多くの作品を見て、その魅力を伝え、共感してもらえるようになっていきたいとも思いました。


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