皆様は、異世界アニメというものを知っているでしょうか。
異世界アニメとは、現代日本で交通事故に会って死亡した主人公が強大な力(いわゆるチート能力)をもらって無双するというのが王道になっているアニメです。
ですが、そんな異世界アニメのセオリーを逆手にとってコメディへと昇格させたアニメがありました。
それが異世界おじさんです。
私は最初、そういった異世界ものに偏見を持っており、
「どうせチート能力をもらって無双するんだろ?」
「そして女性に無条件で好かれてハーレムになるんだろ?」
といった、うがった見方をしていました。
しかし、「異世界おじさん」は違いました。
確かに能力はもらいますし、女性からも好かれたりしているのですが、おじさんの性格や容姿が災いしてなかなかセオリー通りにいきません。
ですが、セオリー通りにいかないからこそ笑えても来るおじさんの異世界冒険譚となっております。
そんな異世界おじさんを見た感想をお伝えしていきたいと思います。
ストーリー(Wikipediaより)
2017年秋。大学生のたかふみは、17年間の昏睡状態から目覚めた叔父に会うため彼の病室を訪れる。
おじさんは、奇妙な言語を発し、異世界「グランバハマル」にいたと語り始めたため、頭がおかしくなったと判断したたかふみは彼を切り捨てようとする。
ところが、おじさんが本当に魔法を使ったために態度を改め、その能力を使って、YouTuberとして生計を立てることを勧める。
そして、YouTuberとなったおじさんとルームシェアを始めたたかふみは、おじさんから折にふれ異世界での生活について聞かされるようになる。
しかし、それは通常の「異世界もの」とは異なる17年間の孤独で壮絶な物語であった。
感想(ネタバレ注意)
絶望を跳ね除けるおじさんの心の支えSEGA
異世界おじさんにおけるメインの話は、おじさんが異世界でいかにして生き残ってきたかというものです。
最初、言葉を話すオークの亜種として捕らえられたおじさんは、たわしよりも安い値段で売られることになってしまいます。
檻に入れられ、その後三日三晩食料も得られずに獄死しかけたおじさんを救ったのは、後にワイルドトーカーと呼ばれる翻訳能力でした。
精霊と会話し戦う力を得たおじさん。
その後は外に出て魔獣の大群に襲われたりもしますが、勝利し、倒した魔獣を食べて墓を作ります。
そうして、おじさんの過酷な異世界生活が幕を開けるのでした。
私はこのアニメを見て、おじさんの芯の強さに感服しました。
おじさんは基本、容姿のせいで魔物と間違われいきなり襲われるところから始まるという悲惨な生活をしていました。
そんなことが日常になっていたため、基本ソロといっていたように他人に心を開くことはあまりありませんでしたが、根は善良で困っている人がいたら助けようと試みます。
容姿も変えようと思えば変えられるのに、精神が引っ張られて自分が自分でなくなるのが嫌だという理由でずっとそのままでした。
そんなおじさんの心の支えになったものは何か。
それは、SEGAのゲームハードとそれらのゲームソフトでした。
おじさんの人生観の多くはこれらによって成り立っています。
そんな支えとなっていたSEGAはゲームハード戦争に敗北し撤退したと知った時の心境はいかに悲惨なものだったかは言うまでもありません。
しかし、そんな絶望を何度もはねのけてきたおじさんは、すぐに記憶消去で立ち直ります。
そして、そのまま平常心でたかふみとルームシェアを始めることになるのです。
フラグクラッシャーのおじさん
SEGAという強大な心の支えにより、悲惨な状況でも高潔な精神を保ち続けるおじさん。
そんなおじさんの内面をみて心惹かれる女性もいました。
その代表がツンデレエルフさん。
魔毒竜という強大な魔物に襲われていたところをおじさんに助けられるというお約束の展開でおじさんに惚れていきます。
しかし、異世界転移直後から悲惨な境遇に陥っていたおじさん。
また、当時ツンデレという概念を知らなかったおじさん。
彼はツンデレエルフさんの態度を、嫌がらせをしに付きまとうストーカーという認識しかすることができませんでした。
ツンデレという概念は創作だからこそ成り立つとも言いますが、おじさんの異世界冒険譚を一緒に見ているたかふみとその幼馴染の藤宮さんはいたたまれない気持ちになっていました。
最終的には適当な街で撒いたといわれているツンデレエルフさん。
彼女の幸せを願わずにはいられません。
そんな異世界おじさんの漫画は、現在もカドコミで配信中
異世界おじさんのアニメは全13話で終わっていますが、原作の漫画はカドコミ(コミックウォーカー)で配信中です。
最新刊の情報もチェックできるため、気になった方は下記のURLから最新話を読んでみてはいかがでしょうか。

私も、おじさんの気高い精神を見習って、絶望をはねのけていきたいと思っています。
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